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社長のコラム
株式会社療食サービス社長のコラム

  • ​​​​-第155号-
    ​​ピーちゃんズ奮戦記(2017.11)

    コラム

    2017.11.01

    女房「ねえ、お父さん大変よ、スズメ(赤ちゃん)が巣から落ちちゃったのよ」

    今月はこんな書き出しでのスタートであります。どうぞ最後までお付き合いください。


    今回のお話は、スズメが我が家の軒先のツバメの巣を横取りしまして、そこに卵を5個産み付けたことが発端です。その中の4匹が雛に返ってピー、ピーと鳴いていたので女房がまとめて全員「ピーちゃん」と名付けたのであります。さて「大変よ」で始まったピーちゃんズ奮戦記ここから始まりであります。


    まずピーちゃんたち本当に運が良かったですね。高さ2m近くの軒下から落下したにもかかわらず元気にピー、ピーと泣いていたところを女房が気づき家に入れてあげたのです。ですが、なんせ飼育方法が分かりません。そこで思いついて、我が家の愛犬のドクターに聞いてみました。


    先生 「スズメはねぇ、野鳥保護法で飼育が禁止されているのよ」

    という返事でありましたが、事情を説明したところ快くアドバイスを頂けたそうです。それから急いでホームセンターに駆け込み、巣箱と餌を買って来たのであります。途中私も参戦しましたが女房には勝てません、一番苦労したのはなんと言いましても餌やりでした。今までに小鳥など飼ったことがなかったので皆目見当がつきませんでした。悪戦苦闘の末2~3時間おきに餌を与えることにしました。


    しかしこれが中々思うようにいかず、最初は難儀しましたが、回を重ねるうちに要領を覚えてきて、徐々にうまく与えられるようになって来ました。今思うと、女房の餌やりは昔子供たちにお乳を与えていたようにスムーズでした。それは正に「さすが母親だなぁ」と思える瞬間でありました。


    そんな甲斐あってピーちゃんたちみるみる大きくなり、女房が「ねえ、お父さんもう少しで巣立つかも知れないよ」と言うので、思い切って中庭に移すことにしました。そうしたらなんと親鳥が飛んできて子供たちに餌を与えているではありませんか。驚きましたね。親鳥が必至で探していたのでしょうね。それからは親鳥が私たちに変わって子供たちに朝晩餌を与え続けたのであります。すごいですよね。生まれて初めて野鳥の親子の情愛を見た思いでありました。そしてそれから何日か過ぎたある日、残念ながら一匹は亡くなりましたが他三匹は無事巣立ち、別れを惜しむかのように元気に飛び立って行ったのであります。


    以上ピーちゃんズ奮戦記で御座いました。皆さんいかが感じとっていただけたでしょうか。私はこの間、仕事も手につかず心はピーちゃん一色と言ったところでありましたが、改めて女房の献身に、思わずここだけの話「なんて優しい人なのだろう」と思った次第であります。女房は「だってお父さん、鳴いている姿を見たらほっておけないわよ」と言っておりましたが、現実的には中々できることではありません。一連の騒動を通して感じたことは生ある命の大切さであります。


    人間も動物も生ある命を神様から一度だけ頂いたわけであります。人間は、その尊い命を時として粗末に扱ってしまうことがあります。それはもっての外だと思います。共に生きる権利があるわけですから、共存できる世の中であって欲しいなぁとつくづく思った次第であります。皆さんの周りの動物や植物をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。


    今号も夫婦の会話で閉めたいと思います。

    私  「ピーちゃんたち無事育って良かったね」

    女房 「そうね、今ほっとしているわ」

    私  「私の介護は大丈夫かなぁ」

    女房 「任せてよ」

    私  「ホッ・・・」

    今号も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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